襖絵の制作



私の普段の油彩の作品の雰囲気で、抽象的な明るい模様の襖絵を作ってほしい、
という襖絵の依頼を受けて初めての襖絵の制作に挑戦しました。

「母が余生を心明るく楽しく過ごせるようにしてあげたい」「明るく楽しくカラフルに」というお施主さまからのご要望を受け、普段の自分の絵画作品からどのように展開するか色々と実験をしながら、ラフ画をはじめ内容の検討を重ねて制作しました。近年お一人になられたご高齢のお母様が日々の暮らしで目にするものを、少しでも楽しく明るい景色にされたいというご希望で、居間の襖を中心に、戸襖、押入れ、入り口戸の2部屋にわたる全12面を、和紙の上に油絵具を使用して制作しました。それぞれの面に違うデザインを配するというご要望のもと、明るく盛りだくさんの空間になりました。

お部屋の中の内装に関わる施工は初めてだったので、どのような紙に絵を描き、それを運ぶのか、どういう心材の襖を制作しどんな太さでどんなかみ合わせのフチをつけるのか等、わからないことがたくさんあったので実験と研究にずいぶん時間がかかりましたが、襖紙専門店の東京松屋さんと、襖制作で長年の歴史のあるハリマ産業さんと何度も相談を重ね、しっかりとした構造の襖を制作していただきました。

作品は主に4つに分かれています。4枚にわたる戸襖が2つ、押入れの2枚がひとつ、入り口の両面1枚がひとつ。
4枚にわたる面には、春夏秋冬の連続した季節が移り変わる様子を自分なりに取り入れました。
※下のサムネイル画像にカーソルを合わせると、作品タイトルが表示されます。

襖絵:戸襖両面「躍る季節」/「風のかたち、春夏秋冬」、押入れ戸「波波の間」、入り口戸「襖のむこうへ」
協力:株式会社 東京松屋
施工:ハリマ産業株式会社
撮影:遠藤祐輔
制作:2015年12月


風のかたち、春夏秋冬 躍る季節 波波の間
波波の間 襖のむこうへ 襖のむこうへ